共謀罪って何が問題なの?ポイントをしぼってわかりやすく解説します。

2017-06-27法律

テロは今の時代どこでも起こりうる

第193回通常国会において、テロ等準備罪(通称、共謀罪)新設法案を含む「組織犯罪処罰法改正案」が採決されました。

あなたは共謀罪とは何か話せますか?

また、こんなに世間がなぜ騒いでるか、デモや抗議運動が盛んに行われているかわかりますか?

テロを撲滅しようって法案じゃ無いの?

程度の知識の方に、明日から周りにおいて行かれない為にも、ポイントを絞って共謀罪についてお話ししたいと思います。

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共謀罪成立で騒がれている要因は大きく3つ

世界各地でテロがおこりまくっています。怖いです、本当に。

日本はテロがほとんどない安全な国だと言われて居ますが、何も根拠に基づくものではありません。

2020年には東京オリンピックが開催されるので、それに向けてテロの対策が必要だ!ということで、第193回通常国会において、テロ等準備罪(通称、共謀罪)新設法案を含む「組織犯罪処罰法改正案」が採決されました。

それに伴い、全国各地で抗議デモや、ニュースでもその問題点が取り上げられていますが、いったい共謀罪の何が問題なのでしょうか。

整理すると以下の点が問題(騒動)となっています。

  • 法案の決められ方に問題がある
  • 共謀は犯罪行為に当たらない?
  • 超監視社会の到来が現実的になる

この観点から共謀罪をみると、なぜこんなに騒がれているか理解がしやすいと思います。

 

今やテロの時代であることをお忘れ無く

直近では、マンチェスター(イギリス)で現地時間2017年5月22日午後10時半(日本時間では23日午前6時半)ごろ、アリアナ・グランデのコンサート会場で起きた自爆テロがありました。

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子どもを含む22人が死亡59人が負傷したと伝えられています。

悲しい事件です。

 

今や頻繁にテロのニュースが流れ、そのたびに私事ですが、子どもが出来てからは特に

巻き込まれた方達の事を思うと胸が苦しくなります。

 

同時に、テロと立ち向かうために、またその根絶を目指すためには、何が必要なのか考えさせられます。

個人としても、もちろん国としても。

そんなテロ対策として、2017年5月23日の第193回通常国会の衆議院本会議組織犯罪処罰法改正法、通称共謀罪が強行採決されました。

しかし、それにともなって、日本のあちこちで、この共謀罪に対する反対デモが相次いでいます。テロを未然に防ごうという法案なハズなのに、一体何が問題なのでしょうか

 

共謀罪の問題点とは

共謀罪が、その国会での決定方法の問題(強行採決、数の力で押し切ったなど、制定ありきでの審議が、本当の審議と呼べるのか?という問題)が取りざたされています。

本来国会は、全国民が一斉に同じテーマで話し合うことが出来ない為に、国民の代表(国会議員)が、代表者同士で話し合って

あーでもないこーでもない

と議論を尽くした結果

全国民の総意に基づく内容を決定する

場所です。本来はね。

ただし、今回は

法案を可決したい人たちがいっぱいいる状態から、そのまま深い議論に因らずに、手を挙げさせて決定しちゃお

これが、まず一番目の問題となっています。

また、担当大臣は無能でお話が上手で無く、このまましゃべらせておくのはまずいという思惑もあったかもしれません。

とにかく、とても国民の総意を反映した形ではないのではないか?といった観点や、国民の理解も不十分なまま、法律を制定するのは何事だ!と問題になっているのです。

確かに、共謀罪ってその中身よくわかりませんもんね。

 

犯罪と呼ぶには、罪刑法定主義の原則が必要


重大な犯罪
となるもの(殺人放火など)に、未遂(殺人未遂や、放火未遂など)や、予備までを含めて、程度や状況に応じて軽減や執行猶予などはありますが、犯罪行為はすべて処罰されます

そもそも論として、共謀罪が根本的に現行の法律に相容れない法律なのでは?という問題があるため、決め方以上に共謀罪の扱い方が問題となっています。

現行、日本の犯罪行為には刑法が適応されます。

刑法とは、ある行為を犯罪として処罰するために、犯罪とされる行為の内容それに対して科される処罰の内容明確に規定されている法律です。

他に身近な法律としては、民法だったり、日本国憲法などがあります。

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このように、法律によって定められた罪に対して、法律によって定められた罰を科すというのが、罪刑法定主義というものです。

少し難しいですか?

考えてみればわかるのですが、人が人を裁くので、裁く人の気分によってコロコロと処罰の内容が変わってしまっては大問題です。

ひょっとすると、裁く人がたまたま機嫌が悪いからといって、極刑を言い渡す可能性も出てきます。

これを防ぐためにも、法律で犯罪行為とそれに対する罰を明確に定めています

さらに犯罪及び処罰を明確に定めることで、犯罪の抑止力としてはかせる目的もあります。

〇〇という犯罪を犯せば、〇〇という処罰を受けることになるから、やめておこう!

みたいな感じですね。

 

実際どの程度の抑止力になるかはわかりませんが、少なくとも

犯罪=やったらあかんこと

という考えにはなっています。

犯罪及び処罰は、行動が伴わないとだめ?

刑罰は、禁錮だったり、懲役だったりします。最上級は死刑ですよね。

犯罪者の、その先の人生や行動、命そのものを奪う内容が処罰の内容となっているので、言うなれば刑罰は、人権の制約に他なりません

例え極悪人だとしても人権はそれなりに尊重されるべきです。

しかし刑罰を与えることは、その人の人権を他者が制約することなので、その人の行動内容が、刑罰を与えるに十分足る内容であるために

刑罰の対象となる犯罪=行為=身体の動静によるもの

という原則が認められています。

 

表現が難しく、ちょっとわからないかも知れませんが、犯罪となる(刑罰の対象となる)ためには

現実に他人の権利(財産を自由に所有する権利など)や法益(法律上認められている権利)を侵害した時に初めて犯罪を犯した者に対して処罰されることになります。

ポイント権利侵害をした時点で初めて犯罪として成立し、刑罰等により処罰される

しかし、共謀罪では具体的な犯罪行動によらずとも、「共謀した」という事実のみでこの処罰の対象とするという内容なので、犯罪行動と呼べるか?という問題もおこっています。

 

気にせず行ってるコミュニケーションはこれから共謀したってことになるの?どうやって共謀したかを見極めるの?

犯罪を取り締まるため、当然に必要になってくるのは監視することです。

実は共謀罪に該当するものはたくさんあり、そのため監視対象も多岐にわたります。

会話通話はもちろんのこと、メールやLineのやり取りも当然監視対象です。

場合によっては、目配せ、瞬きなんかをしただけで、共謀罪として罰せられる可能性だってあります。

テロを画策する連中は、ごく一部ですが、その一部をあぶり出すために、非常に広い範囲で交流のためのコミュニケーションが監視されることになりますから、これが行き過ぎた監視社会を生み出し、人権派っぽく言うなれば

言論の自由や表現の自由といった人権が保障されないのではないか?

と不安が増しています。

法案には、自白による罪の軽減が組み込まれている

なんと共謀罪には、自白による減免規定が組み込まれており

ゲロったら罪が軽くなるよ!

って内容が入っています。

って事は、自分が捕まりそうになったら嘘の情報を伝えゲロった事にして罪を軽くしてもらうとか、取り調べの最中に、素直に言ったら罪が軽くなるぞ!という自白の強要誘発させる可能性だって出てきてしまいます。

大事な事は、誰を監視するのかということに尽きる

テロを画策するような輩を逮捕するのは大賛成です。

しかし、実際現行の法律では、行動に移らないと逮捕も処罰も与えられないので、実際にテロが起きて命が奪われたり、危害が加えられたりしないと、捜査機関は動けません

それが、いわば準備している段階で逮捕ができるようになるわけですから、より安全な社会を作れるという観点から言えば共謀罪は非常に有用です。

しかし、その監視対象が日本国民全てなのか、ある一定の団体に所属しているもののみなのか、過激派と呼ばれるものたちのみなのか、その辺りがどうもわかってきません。

日本国民全てだった場合、私たちの会話一つとっても迂闊な事は喋れません

どこで監視されているかわかりませんし、誤解だったとしても、現認されればとりあえず逮捕されてしまいますからね。

取り調べの結果、釈放や不起訴になるでしょうけど、それも安心はしていられないですよね。

自白の強要だってあるだろうし、拘留されると精神状態がひどく不安定になるからやってもないのにやった事にしたいって気持ちすら生まれてくるようですし。

なので、強行採決にしろなんにせよ、少なくとも共謀罪のターゲットが、国民全員なのか、違うのかそれだけでも明確にしてほしいんですが、担当大臣の説明は二転三転するし、挙句には安倍首相に制止されちゃうし(笑)

安倍首相に制止される大臣
出典 情報速報ドットコム

法案が通っちゃったので、修正をかけていくのも一苦労かもしれませんが、このターゲットとなるべき人の選定が共謀罪ではカギとなってきます。

まとめ

共謀罪の何が問題で、なんでこんなに騒がれているのか?というと

  1. 国会での話し合いが、強行採決だったので、この法案を通したい人達だけで勝手に決められちゃった形になっている事
  2. 現行の法律に照らすと、そもそも共謀段階では、犯罪行動とは呼べないので、処罰なんか出来っこない
  3. 全国民が監視対象だった場合、普段使っている電話、Lineですら監視対象になり、全て傍受される
  4. 共謀の内容は非常に多岐にわたり、まばたきや二人きりの会話ですらアウトとなる可能性だってある

こんなあたりが、共謀罪の問題点となっています。

特に2〜4については、私たちの生活に密着してくる内容なので、知らなかったでは済まされなくなってきてしまいます

最後に

5月26日の朝日新聞の世論調査によれば、審議が十分でなかったと考えている国民は60%に達し、法案をきちんと理解していない人は73%にもなるそうです。

そんな状態で採決させた意味とはなんなんでしょうね。

 

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