シカのお辞儀に隠された秘密?鹿せんべいの正しいあげ方やシカの気になる謎について

2017-09-23奈良の文化、雑学

奈良の鹿

奈良と言えばシカ、シカと言えば奈良。

あなたは、これまでにシカせんべいをあげた経験はありますか?

 

「奈良のシカはお辞儀する礼儀正しい動物」

と思っていませんか?

 

「鹿せんべいあげようとしたら、迫ってきて怖い思いをした。」

という経験はありませんか?

 

実は、シカのお辞儀には理由があり、「正しい」鹿せんべいのあげ方が存在します。

本日は、そんなシカにまつわる疑問と「正しい鹿せんべいのあげ方」にまつわるお話です。

 

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奈良のシカにまつわるお話

ご存知のとおり奈良公園には、シカがたくさんいます。

奈良公園内だけで約1200頭のシカが生息していると言われています。

参考 平成29年度「奈良のシカ」生息頭数調査について

 

国の天然記念物に指定されている野生動物です。

 

よく誤解されますが(むしろ、イジってる?)、奈良のシカは「飼育」されている動物ではありません

  • 「シカはペット」
  • 「シカは乗り物」
  • 「奈良の人はシカに乗って通勤通学をしている」

なんてことは絶対にありません(笑)

 

ただ、飼育はしていませんが、「一般財団法人 奈良の鹿愛護会」という法人が、管理や保護育成、調査研究などをおこなっています。さっきの生息頭数調査もそうです。

「観光客を襲う」とか、「農家の作物を食いあさる被害」も増加の一途で見過ごせない事態となってきているので、市や「奈良の鹿愛護会」が中心となって、シカと上手に共存していくために、積極的な行動をとっています。

 

そんな、身近な存在であるシカは、奈良県民からするとその存在が当たり前すぎて

「奈良にはシカと大仏がいる。」

と考え、なんでもかんでも「シカ」と「大仏」を前面に押し出してしまいます。

せんとくん

出現した当時は、奈良県民の間でもかなり物議をかもしました…。

 

そんな奈良のシカは、古くから神様の使いとして、奈良県民は非常に大切にしてきました

大切にしなくてはならない存在であるがゆえに、「奈良の寝倒れ」という言葉があるほどです。

 

大阪の食い倒れ、京都の着倒れ、奈良の寝倒れ

よく、関西の府県のイメージを表す言葉で、「大阪の食い倒れ」「京都の着倒れ」はなじみがあると思いますが、奈良も実はあるんです。

「奈良の寝倒れ」

夜の奈良を観光されたことがあれば、知っているかもしれませんが、奈良の夜は早いです。

観光地である奈良公園付近及び近鉄奈良駅付近は、夜20時ともなると、多くの店が営業を終了します。(最近は大手チェーン店が増えたため、そこまででもなくなりつつあるし、近くの新大宮・大和西大寺では割と遅くまで開いていますよ。)

 

そのため

  • 「奈良は寝てばかり」
  • 「サボり癖がある」
  • 「大仏商法(客を待つばかりで、積極的に集客しようとしない。ヤル気がない)」

など、どちらかというとネガティブなイメージがあるかもしれませんね。

 

しかし、(古くの、特に奈良公園近くに住んでいる)奈良県民にとっては、早く寝なくてはならない理由がありました。

 

それは、朝早起きするためです。

 

ちょっと昔話をしましょうか。

 

ある朝起きると、自宅の敷地内でシカが死んでいました。

シカは神の使いなので、当然その死体はきちんと葬らなければなりません。葬儀場所は興福寺です。

もちろんタダではありません。

しかし、そのまま放置していたら、その敷地の主が「神の使いを殺した!」とさえ、誤解をされかねません。

でも、正直なところ、費用もかかるし、運ぶ手間もあるので、できることなら避けたい。

 

そこで、自宅敷地内にシカの死体が無いかを確認する。もしあれば、隣の敷地に「そっと」移す、そのために、朝早起きをする

という習慣が根付きます。(遅くまで寝ている人が悪い!と言い聞かせてw。)

そして、朝寝坊の家があれば、その家がシカの死体を興福寺に運び、葬儀料を払って葬ってあげることになります。

 

そこから生まれた言葉が「早起きは三文の得」と言う言葉です。(まぁ、真相は定かではありませんし、諸説あるようです。)

 

ちなみに言っておきますけど、現代ではまったくそんな事はありませんからね。

あっ、でも交通事故でシカをはねてしまった場合

「神の使いを殺した」として「多額の罰金を支払わなくてはならない」

と誤解をしている人がいる、と聞きたことがあります。これもひょっとするとこのお話から来ているのかもしれません。

 

ちなみに、シカを誤ってはねてしまった場合、罰金は発生しません。(奈良のシカは誰かの所有物じゃないので器物損壊にもあたりません。)

速やかに警察に連絡をするか、奈良の鹿愛護会に連絡をいれてください。

大切な命です。すぐに手当をすれば助かるかもしれませんからね。

ただし、故意にはねたり傷をつけたりすると、天然記念物なので「文化財保護法違反」となり、5年以下の懲役または30万円以下の罰金となる恐れがあります。

 

シカと触れ合えるといえば、鹿せんべい

奈良県民からすると、良くも悪くも近くに存在しすぎているシカですが、県民以外の方からするとシカとふれあえるチャンスは、もちろん「奈良公園で鹿せんべいをあげる」時ですよね。

鹿せんべい

鹿せんべいは、10枚で150円

さほど高額じゃないし、動物園でいうところの「えさやり体験」が、いたるところで出来るとあって、観光客の方(最近では、特に外国の方が多いですね。)にはもってこいのふれあいイベントになっています。

実はこの映像に映る彼、鹿せんべいの上げ方が、お手本通りでびっくりしました。(特に30秒から40秒あたり)

 

シカはエサがほしいとお辞儀する?

鹿せんべいを「あげたことがある人」、または「あげている人」を「みたことがある人」なら知っているかも知れませんが、鹿せんべいをあげているとき

シカがお辞儀する

光景をみませんか?

シカのお辞儀

(写真だとちょっとわかりづらいんですけど・・・。)

 

これ、特に外国人からすると

  • 「動物なのに、お辞儀するなんて、なんて礼儀正しいんだ!」
  • 「さすが、ジャパニーズスタイル。教育が徹底されている。」

と、日本人の「礼儀作法を重んじる部分」と重ねて見ているようですが、実は全く違います

 

シカがお辞儀をしている(ように見える)のは、実はこっちを威嚇しているのです。

 

さっきも話しましたが、奈良のシカは決して飼育された動物ではありません。野生動物です

調教も訓練もしていません。(生まれたての赤ちゃんシカを一時的に保護することはありますが。)

ましてや先人(先シカ?)達が、頭を下げるとせんべいがもらえるようになったことを知って、そのDNAが引き継がれて・・・なんてことも一切ありません

 

シカは、えさほしさに我々を威嚇しているだけなのです。

ですが、その愛くるしい目と、人慣れした立ち振る舞い(身体触っても逃げないですし)、さらに「日本の歴史」が詰まった奈良という土地柄と「シカは神の使い」という、高貴な存在で扱われているが故に

奈良公園のシカ=礼儀を重んじている

というイメージが広く定着してしまいました。

 

鹿せんべいの正しい上げ方

鹿は本来気性が荒い動物だと言われています。

ついつい、その見た目にやられて、鹿せんべいをあげるときに「ちょっとずつあげたり」、「じらしたり」してしまう気持ちもわからなくないですが、ちょっとでも間をあけると、威嚇してきます短気なシカほど、「頻繁に」頭をさげます

「はよ、よこさんかい」

って。

 

ひどいと、そのまま頭突きしてきますし、映像では1頭だけですが、「群れで」やってくることもあるので、危険を感じることもあるかもしれません。

 

そこで今からは、「正しい鹿せんべいのあげ方」についてお伝えします。(正しい方法ってw)

 

もう一度さっきの彼の様子を見てみましょうか。

 

彼のいいところは以下の通りです。

  • 鹿せんべいをあげる際は、一枚丸ごとあげる
  • 無くなった場合は、手のひらを見せる

というところです。

 

特に、もう無いときに「手のひらをみせる」ことは大事なことです。

シカに掌を見せる

シカは賢いので、これ以上ないとわかると迫ってきません。

「え?でも手のひら見せて、”もう無いよ”って口に出して言っても、迫ってきたことあるよ?」

って言う人もいるかも知れませんね。(シカに日本語が通じる通じないは別問題。)

 

おそらくそんな人は、「オドオドしていたり」「後ずさりしていたり」していませんでしたか?

 

何度も言うようにお辞儀をするのは、威嚇をしているのです。こちらが弱みを見せるとつけ込まれ

ます。(おなかがすいている場合、発情期(7月から11月)の場合もありますが)

 

動画の(中国人の)彼を見てください。

ちょっと食い気味に鹿せんべいを欲しがってきたシカに対して、「強気に」手を出してアピール

しています。「でんっ!」と座ったままで。

 

よく見るとわかりますが、実は、彼は残り一枚の鹿せんべいを隠しています。(映像ではわかりませんが後ろにいたシカにあげていたと思います。)

(目の前にいる)シカからすると

「あと一枚あったやろ?!おい、コラ!」

と迫ってきそうですが、間髪入れずに強気に手を差し出されたので、簡単にあきらめてしまいました。(なんやったら、落ちているせんべいのかけらを食べる始末w)

 

この強気の姿勢っていうのも、大事なポイントです。

 

シカは隙を狙ってくる

あなたは疑問に思ったことないですか?

「販売所に置いている鹿せんべいはどうして食べないのかしら?」って。

鹿せんべい

これは、「お辞儀」と逆ですが、販売員の教育によるモノです。

 

販売員の人が声をかけたり、手を鳴らしたりして、シカに対して「威嚇」してきたことによって、シカはあきらめざるを得ないのだ、と考えるようになったと言われています。

 

しかし、相手は野生動物。

販売所の人が、ちょっと目を離した隙、または席を離れた隙に簡単に奪って食べます。

 

そう、あくまでシカはこちらの様子をうかがっているに過ぎません。

 

実際に、経験の浅い販売員だと食べられてしまうようですし、観光客が少ない平日だと、鹿せんべいにありつく回数が減ってしまうので、販売所の鹿せんべいに手を出すようです。

さきの鹿せんべいをあげる時のポイントと同じで、こちらに弱みや「隙」があると、簡単にやってきます。

だって、「野生動物」なんですもの

 

まとめ

これから、奈良公園にきた際にシカにせんべいをあげる機会があるかもしれません。

 

そんな時は

  • 一枚丸ごときちんとあげること
  • じらさないこと
  • 無くなったら、手のひらを強気に見せてもう無いよ、ってアピールすること

を守って、鹿せんべいをあげてくださいね。

 

ちなみに鹿せんべいをくくっている帯は証紙です。(しかもシカは食べられますので、そのままあげて構いません)

収益は「奈良の鹿愛護会」の活動資金となり、傷ついたシカの保護などにも使われています。

 

シカのためにも、あなたのためにも、是非奈良に来た際は「鹿せんべい」を「正しく」あげてくださいね。

 

「鹿せんべいをあげるの飽きた!」「興味が無い!」「別のところに行きたい!」と言うかたには、こちらの本がオススメです。知られざるネタが書いてあっておもしろいですよ。

他にも、奈良にはおすすめグルメやスポットがあるのでまとめてみました。(サブカル寄りかも?!)

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